大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和23(れ)1532 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人飯島豊同青木彦次郎の上告趣意は末尾に添附した別紙書面記載の通りであ

る。

上告趣意第一点について。

しかし死刑は憲法第一三条に違反するものではなく、また憲法第三六条の残虐な

る刑罰に当らないということは、当裁判所の判例とするところであり(昭和二二年

(れ)第一一九号同二三年三月一二日大法廷判決)且つ憲法第三七条の公平な裁判

所の裁判というのは、偏頗や不公平のおそれのない組織と構成とをもつた裁判所に

よる裁判を意味するものであつて、個々の事件につき其内容実質が具体的に公正妥

当な裁判を指すものでないこともまた当裁判所の屡々判例とするところであつて、

今これを改めなければならない必要は認められない。従つて原審相被告人等は、無

期懲役であるのに、被告人一人が死刑であるからとて、憲法第三七条に違反するも

のではない。論旨は理由がない。

第二点について。

しかし証拠調の範囲は、事実審たる原審の専権に属するところであるから、原審

において被告人の精神状態について特別の調査をする必要がないと認めた結果、鑑

定其他の方法によつて審理しなかつたとしても、審理不尽の違法があるとはいえな

い。論旨は理由がない。

第三点について。

しかし証拠の取捨は、原審の専権に属するから、数個の上申書中の一上申書を証

拠として採用し、或は一上申書中の或部分を採用して他の部分を採用しないからと

て、採証法則に違反するものではない。そして所論の上申書については、原審にお

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いて適法の証拠調をしたものであるから、何等の違法もない。

第四点について。

自首減軽をなすべきか否かは、原審の自由裁量にまかせられているので、たとい

被告人が自首したからとて必ず減軽しなければならないという理由はないから、原

審において、自首による減軽をしないからとて何等違法はない。論旨は理由がない。

第五点について。

原審証人Aの供述は、一一ケ月前になしたる鑑定の結果に関するものであるとし

ても、これを唯一の証拠として判示死亡原因を認定することはできないという何等

の法則もない。そして右供述によつて被害者の死亡原因を認定し得るものであるか

ら、原判決は採証法則に違背したものではない。論旨は理由がない。

よつて刑事訴訟法施行法第二条旧刑事訴訟法第四四六条により主文の通り判決す

る。

以上は裁判官全員一致の意見である。

検察官 安平政吉関与

昭和二四年三月二九日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 長 谷 川 太 一 郎

裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

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